山都のそばは、やや白っぽく透き通った色合いでしこしことした独特の歯応えあります。
このような特徴は、製粉やそば打ちで山都独特の工夫が施されているからです。
昭和50年代に「山都町商工会」が「むらおこし事業」で着目したのが「飯豊」と「宮古そば(つなぎを一切使わない透明感のある比較的白っぽいそば)」でした。それまで「幻のそば」と言われていた「宮古そば」を町全体の誇れる物として売り出したのが「山都そば」です。
「宮古地区」は、標高が高く米作には不適のため「そば」をより多く常食としていました。
「越後裏街道」筋にあるため、行商などで逗留する人々には、「家庭で食するそば」より贅沢に挽いて振舞っていたと言われています。昭和30年代より「県道工事」などが盛んになると、「工事関係者」や「県職員など」が訪れると、農家にお願いし「そば」を食していました。
その後、(保健所の届出をして)予約での営業を始める農家が増え、今日に至ります。
山都町宮古地区はそばの生育に適した標高400m前後にあり、日中と朝晩の寒暖の差がおいしい山都そばを育てるのです。
また、飯豊山に積もった万年雪から溶け出す飯豊の伏流水がそばを育て、打ち上げるおいしい水として使われます。
「製粉歩溜まりを約70%」とする約束事や、つなぎを一切使わないそば打ち、一流のそば処を目指すための「そば大学」などの取組み、内外に山都そばをアピールし、年一度は思う存分そばを食べていただく(当時は蕎麦常設店がなかった)新そばまつりの開催、各種物産店への出展、そば業界へのアピールなど多種多様な取組みをしてきました。
各地でそばによる地域おこしが盛んになりましたが、「生産〜刈取り〜調整〜保管(雪室・そば銀行)〜そば打ち」と一貫した取組みが山都の特徴です。
また、他の地域よりも若い世代にその取組みが受け継がれている(そばの段位取得層や新そばまつりなどでのイベントづくりの継承)のも特徴の一つです。
山都では新そば、寒晒しそば、雪室そばが楽しめます。
玄ソバは外側の固い殻が取り除かれると、やや褐色の甘皮に包まれた「抜き」が顔を出します。
抜きは栄養のたくさんつまった胚芽や胚乳からできています。この抜きを砕くと、いちばんやわらかい内側の中心部分から粉になり、外側の部分になるほど固くなるため、何回かくり返して製粉しないと粉になりません。
山都では、ソバの製粉歩留りを70%以内と定めているため、色のついた甘皮の部分が含まれず、ソバ粉がやや白っぽくなっています。
製粉段階 | 名称 | 特徴 | 成分 |
1回目 | 一番粉 | 玄ソバを製粉して最初にふるい分けられた粉。 中心に近い部分が砕けたもので、多少甘みがあり白っぽくさらりとした手ざわり。 |
胚芽が多く含まれているためビタミンが多い。また高血圧を防ぐ血圧抑制物質が含まれている。 |
2回目 | 二番粉 | 1回目の製粉で篩に残った抜きを、再び製粉したもの。 中心部と外層部分の中間の部分で一番粉よりも少し褐色がかっている。 |
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3回目 | 三番粉 | 2回目の製粉で篩に残った抜きを、さらに製粉したもの。 甘皮の部分も挽いているため二番粉よりもかなり褐色がかっており、そば特有の風味(えぐみ)が出てくる。手ざわりも多少しっとりとした感じになっている。 |
良質のタンパク質が多く含まれている。また、血管を強化するルチンが多く含まれている。 |
そば伝承館で取り扱っているそば粉と生そばは以下のリンクから購入することが出来ます。
価格は税込みとなります。
※蕎麦アレルギー体質の方がお召し上がりになる場合、必ず医師にご相談のうえお召し上がり頂きますようお願い致します。